2026年初めに金と銀は世界的な買いを集め、金は1オンス5,500ドルを超え、銀も120ドルを上回るなど、歴史的な高値を更新していました。しかし先週、金は5,500ドルから4,500ドル台にまで下落し、これは2013年以来の最大級の下落幅と報じられました。また銀も約120ドルから80ドル前後へと約3割も値を落とし、1980年以来の劇的な急落となりました。
急落の主な3つの原因
今回の急落の大きな引き金となったのは、米国の次期FRB議長にケビン・ウォーシュ氏が指名されたというニュースでした。ウォーシュ氏はインフレに対して厳しい姿勢を持つタカ派とされ、これにより市場が織り込んでいた利下げ期待が急速に後退しました。利下げが遠のくということは、金利が高止まりする可能性を意味し、金利を生まない金の魅力が低下するため、金の売り圧力が一気に高まりました。この指名発表は市場心理を急速に冷やし、金と銀の下落を直接的に後押しする結果となりました。
さらに、ウォーシュ氏の指名によってドルが急反発したことも、金と銀の下落を加速させました。金とドルは逆方向に動くことが多いため、ドルが強くなると金は売られやすくなります。同時に米国債の利回りも上昇し、利息のつかない貴金属よりも利回り資産の方が相対的に魅力を増したことで、投資家は金や銀から資金を引き上げる動きを強めました。こうした通貨・金利環境の変化が、貴金属市場に強い逆風となりました。
加えて、今回の急落には投機的な資金が大きく関与していました。2025〜26年にかけて地政学リスクが高まったことで安全資産としての金や銀に大量の資金が流入しており、さらにオプション取引による買いが価格を押し上げる過熱状態が続いていました。
中国では銀に対する投機資金の流入が加速し、国内の供給がタイトになるほどでした。しかし、価格がわずかに崩れ始めると、レバレッジを効かせていた投資家たちの証拠金が不足し、強制ロスカットが連鎖的に発生しました。この大量の売りが一気に相場を押し下げ、急落を加速させる結果となりました。
初心者はこの急落をどう見るべき
今回の急落は、金や銀そのものの価値が大きく損なわれたわけではありません。むしろ、短期的な過熱が極端に強まっていたところに、政策発表という決定的なきっかけが加わり、急落という形でその反動が一気に表れただけだと考える方が自然です。
長期的に見れば、金はインフレや通貨価値の低下に備える資産として依然として広く支持されており、銀も産業需要が着実に増加している背景があります。今回の急落は、投資の世界でしばしば見られる行き過ぎた期待と恐怖の揺り戻しの一例といえるでしょう。
今後の見通し
短期的には、ウォーシュ氏の金融政策スタンスを市場がどのように織り込んでいくかに注目が集まり、金や銀の値動きは不安定な状況が続く可能性があります。投機的なポジションの整理が続けば、値幅の大きい動きがしばらく続くかもしれません。
一方、長期的には世界の債務拡大や各地での地政学リスクが依然として高止まりしており、各国中央銀行が金を買い増している流れも続いています。こうした背景を踏まえると、貴金属の長期需要はむしろ底堅い可能性が高く、今回の急落が将来的には新たな投資機会につながる可能性さえあります。
最後に
今回の金と銀の急落は、米FRB議長指名という政策イベントをきっかけに、ドル高、金利見通しの変化、投機マネーの巻き戻しが一度に重なったことで生じた“複合的な急落”でした。初心者にとっては驚きの動きに見えたかもしれませんが、背景を理解すれば、そのメカニズムは決して特殊なものではなく、市場がときに行き過ぎ、そして調整するという典型的なパターンのひとつだと言えます。短期的なノイズに振り回されず、長期的な価値をどう捉えるかが、貴金属投資では特に重要になってきます。
本日は最後まで読んでいただき、ありがとうございました。また次回の記事をお楽しみください。
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